Weblog

ほぼ weekly コメント。

今年も永生病院

191222永生病院

日曜日、恒例のクリスマスコンサート@永生病院。ヴァイオリンの杉原まさみさんは過去27回のほとんどに関わっているそうだが、僕はちょうど10回目。患者さんたちがロビーに降りてきて聴いてくださるのだが、実は病院内で中継もされていて、およそ1000人くらいがお聴きくださっているとか。思いがけず昔の教え子も聴きにきてくれて懐かしい。

今年もあと1週間。なんとか穴をあけずに仕事できて感謝。


ここはヨーロッパ?

191216Collage Fotor

土曜日は高輪のプリンセスガルテンでフルート・トリオ。以前はクリスマスオーナメントのショップだった場所。この季節、今でもショップがあると思って来る人がいる。

5年前にオーナー(オーケストラ指揮者)が凝りに凝ってホールに改造。ドイツなどからアンティークや無垢の木材を取り寄せ、ホール前にはヨーローッパの敷石を敷き詰める。一瞬、ここはどこなのか錯覚するくらい。

普通の音楽ホールとはひと味違う、落ち着いた響き。お客さまもたくさん入ってよい雰囲気の中演奏できた。


来週クリスマスのコンサートで今年の演奏はすべて終了。コルンゴルトなど入って面白そう。

79143254 2577904118989137 7059417631656247296 n


不滅の恋人ミステリー

土曜日は新潮講座へ。昨年「ベートーヴェン捏造」を上梓して話題のライターかげはら史帆さんによる講座。同書で、ベートーヴェンの秘書だったアントン・シンドラーの嘘つきぶりを綴った彼女、今回は、やはりシンドラーがベートーヴェンの引き出しから発見し、後に発表した「不滅の恋人」にまつわる話。やはり胡散臭い。シンドラーの後、さまざまな学者が、実に10人以上の恋人候補をあげつらう盛り上がりぶりを面白く聞かせてくれた。歴史は、ほんとに胡散臭い。

自由学園明日館ラウンジホール

77307919 10157744397477622 3584327813999624192 n

12年前にここでクラヴィコードの植物文様を弾いた。やはりこの空間はいい。フランク・ロイド・ライトの空間。窓、椅子、ドア・・隅々まで温か。

11月29日、ミニピアノ公演終了。今回のミニピアノ・コンサートは4部構成。1古い音楽へのオマージュ、2ロマン、3ポリフォニー、4植物文様と分けてみた。面白いことに、人によって好評だったセクションが違う。4人の子どもが、それぞれに愛されたような感じで嬉しい。「小さい楽器なのによく鳴っていた」というのはいちばん多かった感想。それもあの空間との相性かも知れない。

さあ、次はどんな展開をしよう。


和歌山&青葉台

昨日千葉から京都へ車で移動してへとへと。月曜日にアップできませんでした。

先週は、金曜日に和歌山、日曜日に青葉台で本番。

まず和歌山。当初1台のミニピアノを予定していたが、急遽名古屋からもう1台のミニピアノが参戦して思いがけず2台での演奏会ができた。この会場はオーナーのイニシアティブが素晴らしく、とてもアットホームな空間で好きです。打ち上げでは調律師さんたちと単弦のピアノ製作の話で盛り上がった。

Collage Fotor191122


青葉台は、植村泰一先生の85歳アニヴァーサリーコンサート。フィリアホールは、古楽器との相性もよい。1871年のルイロットと1820年のグレーバーの組み合わせも、溶け合った響きになったようだ。植村泰一先生のフルートはもう仙人の域といってよいかも。音量が極限的に小さいのに、フルートオーケストラの前でくっきり音が立ち上がっているさまは、どう説明できる現象なのかわからない。2007年から共演させていただいているが、まだまだ続けたい。

コッホ10歳

Collage Fotor191118

18日にコッホが10歳になった。誕生日を迎える直前に、僧帽弁閉鎖不全を診断され、ペットロスのように凹んでいたが、早めに見つかったので進行を抑えられるとポジティブに考えることにした。

コッホと一緒の10年は、まず飼ってすぐに京都芸大に行くことになり、父が亡くなり、震災を経験と、大きなことが続いた。犬と散歩をすることで、近所にも知らないところがたくさんあることを知り、犬友もたくさんできた。仲良かった犬が何匹も逝った。夏の暑さが辛いのを見て、草津温泉に避暑するようになった。娘も平行して育っていった。はじめはコッホに見向きもされなかったが、今では頼られているようにも見える。大きな公園やドッグランで、好きな犬たちに会ってはしゃぎ回る姿を見るのが嬉しかった。今はあまり走れないけど。

鉄拳のマンガみたい(笑)。まじで、まだあと10年一緒に過ごしたい!


藝大同期会

今日は藝大時代の同期会。50人以上が集まった。会場も藝大の学食「キャッスル」。基本的に同業者だから、日頃会っている人もいるが、卒業以来という懐かしい顔も。ひとり1分のスピーチ(1分過ぎると催促のチャイムが鳴る!)のあと、歓談。昔、伴奏した人もたくさんいたし、一緒に旅行した友人もいた。だけどいちばん多かったのは「麻雀ともだち」だったかも(笑)。

フルクサス&軽井沢

IMG 0464

先週水曜日は塩見允枝子先生のフルクサス・コンサート。初めてジョン・ケージの4’33”を演奏した。事前にああしよう、こうしようと考えないことにしていたが、いざステージに出てみると、あっこれは座禅といっしょだ!と瞬間的に思った。そう思うと、気が楽になり、時間の流れに身を任せることができた。周囲の音がけっこう生々しく聞こえるところも座禅とそっくり。周囲の音に気をかけまい、とすら思わず、ただ綿々と時を過ごす。やはりいい曲なんだ。

他の演目も、学生たちのアイデアが秀逸で(音楽だけではなく美術の学生も!)、京都芸大ならではでのコンサートになったのではないか。塩見先生に楽譜をいただき感激!!!

2'47"(原題4'33")演奏中。10月30日@京芸大学会館ホール。撮影:守屋友樹


日曜日は軽井沢で室内楽。3連休の中日、軽井沢は激混み。18号、146号が車で長蛇の列。紅葉もいい季節なので混雑はしかたがないか。瀟洒なサロンのお客さまは常連が多い。よく響く室内にはスタインウェイのフルコンサート。日帰りがもったいない贅沢な時間だった。

IMG 0467

玉女せんべい

IMG 0440

嫌な感じはしていたが、風邪ひきました。

先週水曜日は、赤松玉女・学長就任祝賀会。京都ホテルオークラに、各界から200人近い人が集まった。2023年の大学移転までの期間、重責を担われる。就任早々、名称問題などにも凛然と対応されているし、とにかく仕事が丁寧で気配りもきめ細かい。

75322575 2531881226848840 2016486531291676672 o


お土産は、あの末富の定番「京ふうせん」になんと「玉女」の文字が! 開けてびっくり「玉女せんべい」や~


フルクサス!

191030塩見允枝子

まわりで風邪が流行っている。

来月初めに予定されていた軽井沢での演奏会、会場が停電、新幹線も高速も不自由とのことで開催そのものが危ぶまれたが、なんとか開催の運びとなり、ひとまず安心。だがアクセスや集客など不安も。

11月3日 秋の軽井沢 室内楽コンサート

そして来週は、塩見允枝子さんを招いて、フルクサスのコンサート。60代を迎えて、初めての演奏が「4’33”」という巡り合わせに、どこか清々しさを感じる(笑)。

フィリップ・コーナーの「ヘッダー」は手指では音を出さず、頭部のみでの演奏。これは学生が弾く。

小杉武久の「ディスタンス・フォー・ピアノ」は、身体のどの部分もピアノに触れず、脚立から棒の先に紐で吊るした物体を操作して演奏する。

最後は塩見允枝子がジョージ・マチューナスに捧げた追悼曲。6人のパフォーマーがメトロノームに合わせ・・・・あとは当日のお楽しみ!


台風19号

15号に続き、もっと大きな19号(地球史上最大級の文字が踊った!)が関東を襲った。台風が去って1日以上経過した現在でも、新たな浸水被害などが起こっている。

12日の朝、まだ台風は遠いはずなのに、千葉では強い雨風が始まり、停電したときは「ええ?もう?」と恐怖を感じたが、すぐに復帰。それ以降は、特にトラブルなし。土曜日の予定はすべてキャンセルして備えていたが、無事でよかった。

翌日曜日は、夏が戻ったような暑さ。午前中は鉄道がほぼ止まっていた。午後になり、道路は大丈夫そうだったので、車でみなとみらいまで。リハーサルは無事にできた。で、ラグビーは祝ベスト8。しかし見てて力が入ってしまい、苦しくなる競技だなあ。

今日は京都まで移動。急に季節が変わった感じ。

ミニピアノ・デュオ

Collage Fotor191007

土曜日のニュイ・ブランシュ(白夜祭)、京都コンサートホールでの2台ミニピアノ公演終了。

2017年の春に河合ミニピアノと出会って以来、夏に51鍵の楽器を入手。相模原の「光と緑の美術館」にある64鍵の昭和型河合とは今年の春に初対面。この2台での演奏会のアイデアが出たのはその直後のことだった。

相模原から昭和型を運んで、実際に2台が並んだときは感無量だった。楽器の音色が合うのは予想していたが、京都コンサートホールのエントランスホールとの相性もよい。まさにハープとリュートを彷彿とさせる音に思わずリハーサル中にプログラム以外の曲も弾いてしまった。

72670134 754339685036384 2319946238704746496 n


本番当日、昭和型の持ち主である調律師の三矢真人さんが、調律中にミニピアノの隠れた製造番号を見つけてくださり、楽器の身元がまた怪しくなった。三矢さんの昭和型は1933年製という。製造番号は244。私のミニピアノは262。18番しか違わない。とするとこのミニピアノも戦前のものという可能性が出てきた。

河合楽器の70年誌によると、戦後物資の少ないときに島田工場でミニピアノを製作した旨の記述があり、写真もまったく同じなため、1948年のものと思っていたが、戦後の製造番号は2000番台から開始したらしく、とすれば戦前のものになる。最初期の昭和型(1927)は「ワイヤ3弦」を謳っており、3弦のはずだが、いったいどういう契機で、どういうタイミングで1弦の楽器を製作することになったのか、いろいろと謎が浮かび上がる。日本のピアノ製造の歴史は、まだ解明されていない部分が多い。

今回の演奏会には、楽器関係の方々も何人かいらしてくださり、単弦の楽器がたいへん珍しいということも確認できた。

(左:昭和型#244  右:ミニピアノ#262)

made by satoru sunahara