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さよなら2016

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先週木曜日、京都からの帰りは、火災のための新幹線遅延で90分待って、千葉行きの終電にぎりぎり間に合ったが、傘もさせないほどの雨風でさんざんの帰宅。

でも帰れてよかった。次の日は八王子でクリスマス・コンサート。いつもの倍近いお客さまにいらしていただいた。

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永生病院・安藤高夫先生のFBページより


月曜日は台東区ミレニアム・ホールでピティナ・ピアノステップ。ショパンのエチュードがテーマで、受験生をはじめ大勢の方の演奏を聞かせていただいた。20時頃終了して、上野で打ち上げ。

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高木早苗さんのウェブサイトより


火曜日は来年のニューイヤー・コンサートのリハーサルで、自由が丘の月瀬ホール。グロトリアンのフルコンを初めて弾いた。ふくよかな音色は、スタインウェイやベーゼンドルファーとは明らかに性格が違う。しかしアクションは敏捷性があり、素晴らしい楽器だ。50人ほどのサロンには、少々大きすぎる感もあるが、楽器のポテンシャルを引き出す演奏を心がけたい。


今年ももう数日。身体的なトラブルが多かった昨年に比べ、比較的よい体調で乗り切れたのがいちばんよかった。そして僕にとってポジティブな出来事が多い一年だった。2016年に心から感謝。

来年は、今から楽しみな予定がいくつもあり、大切に日々を過ごしたい。

最高に素晴らしい2017年になりますように。

走り続ける師走

寒くなったと思ったら、また少し暖かい散歩日和。師走ももう後半、大学業務も今週まで。あっと言う間の1年。

今年を振り返るのは来週にすることにして、とにかく今年のスケジュールをこなさなければ。

今週は水曜日に長井芽乃さんをお迎えしてボディ・マッピング講座、金曜日に西八王子の永生病院でクリスマス・コンサート。来週は月曜日に台東区ミレニアム・ホールで、ピティナのピアノステップ、火曜日は来年1月のニューイヤー・コンサートのリハーサルがあり、この年末年始はあまり休めそうもない。師走を駆け抜け、来年も走る!

メゾチント

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先週の金曜日は坂爪厚生さんの個展へ。銅版画の技法のひとつ、メゾチントの第一人者として知られる坂爪さんの作品は、シュールともブラックユーモアともつかぬ、抽象でも具象でもない、何とも言えぬ魅力にあふれている。今回の新作「シャツの劇場」は、これまでの作品とはまた違う精気が漂う。

今回は特別に原版と道具の一部を見せてもらった。「目立て」といって、まずツルツルの銅板にノミのような道具で傷をつけて、全体を摺ったときに黒くなるようにする。その後、そのザラザラした部分を磨いていって白い部分を作っていく、という何とも手間のかかる作業。白の部分は、初めから何もしなければ良いのでは?と尋ねると、それでは白の風合いが全然違うという。

我が家に坂爪さんの小さな絵が一枚ある。また一枚欲しくなった。


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キュビスム感慨深し

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穏やかな晴天が続いた週。枯れた枝木の風情も美しく、散歩がいちばん楽しい季節。

日曜日、埼玉県立近代美術館へ。日本におけるキュビスム展。親しくさせていただいている野村久之先生の作品も出展されるとのことで楽しみに出かける。

タイミングよく、鳥取県立博物館の尾崎信一郎さんのレクチャーと、続けて出展作家の池田龍雄氏と館長の建畠晢先生(前・京芸学長)と学芸員主幹の平野到氏のディスカッションがあった。

美術史上のキュビスムの位置、そしてアジアや日本の受容史が、とても興味深い。ピカソとブラックの実験が、爆発的に世界に広がり、美術界に強い衝撃を与えたにもかかわらず、定着することなく、通過点のごとく消えて行ったキュビスム。考えてみると不思議な存在。日本では面白いことに1950年代に再びブームが起きたという。これまでは正直、冷めて見ていたキュビスムだが、おかげで新鮮な感覚で見ることができた。

何と言っても、野村久之先生のお若い頃の作品をピカソ、ブラックの脈絡で観られる贅沢。感慨深し。


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