メゾチント

先週の金曜日は坂爪厚生さんの個展へ。銅版画の技法のひとつ、メゾチントの第一人者として知られる坂爪さんの作品は、シュールともブラックユーモアともつかぬ、抽象でも具象でもない、何とも言えぬ魅力にあふれている。今回の新作「シャツの劇場」は、これまでの作品とはまた違う精気が漂う。

今回は特別に原版と道具の一部を見せてもらった。「目立て」といって、まずツルツルの銅板にノミのような道具で傷をつけて、全体を摺ったときに黒くなるようにする。その後、そのザラザラした部分を磨いていって白い部分を作っていく、という何とも手間のかかる作業。白の部分は、初めから何もしなければ良いのでは?と尋ねると、それでは白の風合いが全然違うという。

我が家に坂爪さんの小さな絵が一枚ある。また一枚欲しくなった。

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