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幽玄の音

日曜日、フルートの植村泰一先生の喜寿記念コンサートとお祝いの会。コンサートは浜離宮朝日ホール。前半のプロはエラールハープ(あのピアノのエラール!)の伴奏で、バッハBWV1033、川崎優先生(重鎮!)の「暁の祈り」他フランスの小品。


何という清純な音。必要最小限なのに大きな存在感をもつ音。まるで水のよう。しかも安定した音程のなかに微分的なゆらめきが絶妙で、和の笛を聴いているような思い。とくに川崎優先生の曲はその作品の濃密さも相俟って、独特な世界が展開された。


後半はフルートオーケストラをバックにケックラン、廣瀬量平、モーツァルトなどの作品。指揮の青木明先生をはじめオーケストラのメンバー全員と植村先生との絆、一体感を感じる。


演奏は続けていくことに意味があると改めて感じる。また演奏は献身であるとも。

バレエ発表会2011

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昨日は娘のバレエ発表会。3歳から習い始めて、もう小学4年生。もう7年もやっているんだ。「くるみ割り人形」のねずみと花の精の役。前回までは、バレエというよりお遊戯に近い感じだったが、すっかりバレエらしくなった。のびのびと踊る姿に羨ましさも感じる。感心、感心。


V-Piano Grand

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縁あってローランドの浜松研究所に伺い、いま話題のV-Piano Grandを試弾させていただきました。

生粋のデジタル楽器ですが、大胆にクラシック層にアピールしてきたこの楽器、実に面白い。何が面白いか。


サンプリングを捨てた!ーーこれまでのデジタルピアノの主流だったサンプリング音源を止めて新しい音作りを始めた。モデリングというこの方法は、音を形成するさまざまな要素を個別に作って重ね合わせるもの。弦素材、ハンマー形状などを仮想的に作り、それを鳴らした音を弦1本1本の単位で作り込む。その上に響板の響きやアクションのノイズ、押弦共振やダンパーのない高音部の共振までつけていくという凝り方。


サンプリングを捨てたことにより、可能性が広がった。ひとつひとつのパラメータをコントロールできる強みを生かして、3本の弦の音高の揃え方、ハンマーの硬さ、振動音などを個別に調節できる。さまざまなコンディションの楽器を仮想的に作ることができ、自分好みに楽器を変貌させることができる。


ピアノの奥行きが恐ろしく長い楽器や、銀線を張った楽器などがVanguard(先駆)ピアノとしてプリセットされている。実際に弾かせてもらったが、それぞれに特徴をもったサウンドになる。


僕は自分の記憶を頼りに、ある特定のフォルテピアノの響きを目指してパラメータをいじってみた。フォルテピアノというプリセットサウンドもあるのだが、だんだん自分のイメージに近づいてくる楽しさを味わった。


専門的になるが、ピアノの響きの特徴にインハーモニシティというのがある。弦の縦振動、横振動の兼ね合いで、ピアノの場合高い音になると、ユニゾンが合っていないように聞こえるというもの。通常高い音を少しずつ高めにしてゆく調律が多く、この上げ具合が職人技なのだが、これも調節できるのだ。演奏する曲によって、このあたりを変えたり、もちろん調律も自由に変えられる。アンサンブルのときなども相手によっていろいろな音色を選択することが可能。これは本当にマニアックな楽器だ!


中秋の名月

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まだ秋らしくない気候ですが、綺麗な月でした。犬とともに公園で鑑賞。一方に月、反対には夕焼けに富士山の影と、なかなかの眺望。

昨日は震災半年目、またアメリカの同時多発テロ10年目。あのテロの前日に娘は生まれました。娘は来週バレエの発表会でクルミ割り人形に出演。誕生日プレゼントは、よってクルミ割り人形。

感傷に浸れる日でした。


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