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Lee Kum-Sing先生/岩茶

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もはや、少し冬の空気になってきた。

先週はバンクーバーのリー・カムシン先生が大学にいらっしゃり、公開レッスンがあった。ベルリンでゲルハルト・プシェルト、パリではジュリアス・カッチェンに学んだピアニスト。

テンペラメントの強い音楽で、響きの作り方に強い個性と主張がある。夜遅くまで熱心に指導してくださった。


その翌日、学生たちからサプライズの誕生祝いプレゼントをもらった。なんと岩茶。僕の趣味をよくわかっているなあ。感激しました。


慌ただしく過ぎる時間の中で

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グラッときたとき、京都では珍しいと思った。それが震度6弱の鳥取地震とは思いもよらなかった。日本中どこが揺れてもおかしくない。

その日の夜は、ドイツ・Stuttgartから帰国した元教え子のリサイタルへ。武満、ベートーヴェン、シューマンというプログラム。特にベートーヴェンで示された隅々まで気が配られたコントロール、そして慌ただしくないテンポ感は、まさにドイツ留学の賜物と見た。

早いものでもう30年以上経つが、僕の留学生活もたった2年半くらい(彼女もそれくらい)だが、生きてきた時間の中でとっても比重が大きい。時間の流れかたが違うように当時も感じたし、今でもそう思う。その違いとは何だろう? 彼女の音楽の中にも悠々と流れる時間を感じた。最近なかなかそういう演奏を聴かない気がする。その成果を心から祝福したい。

先週前半は暑さがぶり返していたが、ここ数日の朝晩は暖房がほしいくらい。上野公園はライトアップされて、もう年末的なムード。


秋燦燦

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今日は雨だったが、この土日は素晴らしい天気で、夜は綺麗な月も。よい季節とともに充実の日々。

水曜日は堀川音楽高校でレッスンさせていただいた。真っ直ぐな高校生の表情は眩しく美しい!

木曜日はカフェ・モンタージュでクラリネットの村井祐児先生、ヴァイオリンの石上真由子さん、ピアノの船橋美穂さんのトリオでバルトークのコントラスツを聴く。やっぱりいい曲だ。

金曜日は銀座のGalleryCamelliaへ平体文枝さんの個展を見る。ギャラリーはいい感じのアンティークなビルにある。作品は女性的で穏やかに見えるが、とても深みがあり、つい長時間見てしまった。

土曜日はまたまた銀座の王子ホールで俣野修子さんのリサイタル。スイスのピアニスト、ルイ・ヒルトブラン氏へのオマージュが謳われていた。その昔、僕も一度レッスンを受けたことがあり、もっと倍音を聴くように言われたのが印象に残っている。そのときのマルタンのプレリュードがプログラムに入っていた。これも懐かしい。

一年でいちばん好きな季節だが、これも駆け足で行ってしまう気配。


待望の秋

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秋らしいモーメントが増えてきた。今日は快晴で、正真正銘の体育の日!

先週は京都の演奏会を2つ聴きに行った。お琴の中川佳代子さんと、ピアノの田隅靖子先生。

中川さんはお琴の世界でも現代作品に力を入れて取り組んでいらっしゃる。今回の演目は三絃も含め日本的な怪奇譚のような世界を聞かせてもらった。すごーくいい気持ちだった。

田隅先生も、とても広い視野で演奏活動を続けられていて、今回の演目はアメリカものだった。アイヴスやジェフスキのような硬派なものから、バーンスタイン、ボルコム、スマートのような変化球まで多彩なアメリカ音楽をカヴァー。締めはガーシュイン。共演の竹中真さんのグルーヴ感はシビレた。

食べものも一段と美味しくなる季節。骨董屋で見つけたサントリーレッドのタンブラー、小ぶりなサイズで可愛い。昔は小さいものが多い気がする。酒量を控えて、質を楽しみたい我々世代には嬉しいサイズ。

「少し愛して、ながーく愛して」の名CMが浮かぶ。


後期始動

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暖気と寒気が混じり合ってまだ落ち着かない。台風も来ていて秋晴れはまだ先か。

大学の後期授業が始まった。京都はまだ暑かったが、冷房が入っていてひと安心。2ヶ月ぶりになじみの店へ行くと、「お久しぶり。半年ぶりですか?」と京都ならではの「いけず」炸裂。しかし魚はぐっと美味くなった。

今日はうす曇りの谷中を通って東京藝大。谷中は曇りがすごく似合う。


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