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珪藻土とクラヴィコード

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先週土曜日は谷中のギャラリーで珪藻土のサウンドインスタレーションとクラヴィコード演奏のコラボ。植物プランクトンである珪藻が海や淡水で増殖し、死滅することによってできる堆積岩である珪藻土、昔から七輪などが作られていたが、最近は建材だけでなくバスマットなどで新たに注目を浴びている。耐火性、断熱性、吸湿性に優れ、また内部に無数の小さな空洞を含んでいることで、拡大してみると形状がとても美しい(ミクロワールドサービスという会社では鑑賞用のプレパラートも作っている)。

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http://micro.sakura.ne.jp/mws/mws_pre1.htm から転用。


その珪藻土を水中に入れて、気泡を発生させたらどんな音になるだろう?という発想から「珪藻土の声」を鑑賞しようというのが藤枝守さんのインスタレーションのコンセプト。そして、その幽かな音とともにやはりデリケートなクラヴィコードで「植物文様」を鑑賞しようという今回の催しだ。ギャラリーの壁も土壁で、それぞれが呼吸し、互いに影響し合う幻想的な場ができたように思った。


コッホ4歳

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12日火曜日は京都芸術センターで中川佳代子さんと丸田美紀の箏のコンサート。藤枝守さんの植物文様に加え、箏歌や平安末期の古楽譜を再現した想夫恋、また増田真結さんの枯野などが演奏された。馥郁とした箏の響きは、ゆったりとした「とき」を刻む。植物文様はクラヴィコードと同じ曲もあるが、まったく違った曲に聞こえるのが面白い。増田さんの曲は、ギリシアの音律に依っていて和も洋もない独特の世界を楽しめた。


京都往復後、15日金曜日は横浜のフレンド楽器で講座。午前中から楽器店ピアノ講師の方々の勉強熱心さはすごい。その熱気に思わず上着を脱いでお話させていただいた(笑)。


17日日曜日は千葉・美浜文化ホールで日本ピアノ研究会のコンクール本選。とても響きがよく、手頃な大きさのこの音楽ホールはなかなか予約が取れないそうな。皆さん緊張感とともに気持ちよさそうに演奏されていました。


今日はコッホの4歳の誕生日。ここまで病気ひとつせず元気に育ってくれて感謝。


コンサート三昧

4日月曜日は大井浩明さんのフォルテピアノーベートーヴェン。楽器は1795年のドゥルケン・モデル、曲はop.26 、op.27の2曲とop.28。ベートーヴェンのペダル指示が開始されるのはこの作品たちから。月光の第1楽章、ダンパーを上げっぱなしにする senza sordini などは現代のピアノでは難しいが、ドゥルケンでは独特な幻想的表現になる。大井さんによるとこの楽章はトンボー(墓=追悼曲)だそうな。それにしてもヘヴィーでしかも違うプログラムを連日のようにこなす彼の集中力は圧巻。


京都往復の後、7日はアンデパンダン展。6月に上野の文化会館で演奏した川崎優先生の作品を、今度はモダン・スタンウェイで再演。植村泰一先生のフルートに石鍋多加史さんの朗読。前回のグレーバーより、硬質で冷徹な表現になったように思った。


8日金曜日は内藤明美リサイタル。連日のオペラシティ、曲はR.シュトラウス、マルクス、マーラーの歌曲。ピアノは平島誠也さん。ヨーロッパで永く研鑽されたお二人だけに、格調高い演奏。世紀末の息の長い音楽に接していると、ここが日本であることを忘れる。マーラーの大地の歌は、作曲者によるピアノ編曲版だそうで、ベーゼンドルファーのピアノがしっくりきた。


10日日曜日は永年レッスンしている生徒の結婚式で高崎へ。チャペルでの挙式から涙、涙。どうぞお幸せに。

らふらんす

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日曜日、大阪でのフルートのコンサート終わりました。楽しみは打ち上げ。フルートの水越さんにはすごい取り巻きがいる。「らふらんすの会」(洋梨用なし??)と称する面々だが、彼らと飲むのが何とも楽しい。その道を極めた人ばかり(美術、工芸界の重鎮が多い!)で、酸いも甘いも噛み分けた会話は年齢がいかないと無理かなー。深くて軽い会話の投げ合いが本当に楽しいのです。この笑顔をご覧あれ! あ、僕も「らふらんすの会」の会員です!


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