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作曲家との打ち合わせ第二弾&クールプリエール

水曜日に河合拓始さんと打ち合わせをした。演奏をひととおり聴いていただき、また厚かましくも河合さんにも演奏をお願いして聴かせていただいた。

河合さんは、ピアノのみでなくトイピアノや鍵盤ハーモニカを使った即興演奏でユニークな活動をされている。また数年前から福岡に移られて農作業もされているという。今回、お互いに音楽体験などを語り合う機会を持ててたいへん嬉しい。彼の音・音楽そして人生に向かい合う鋭敏な感覚、そして何より温厚なお人柄が作品ににじみ出ているように思った。

「ヘッセに寄せて」という曲は、やはり晩年にスイスの田舎で庭仕事をしながら過ごしたドイツの文学者へのシンパシーによるもの。そして「老い」という僕らの年代が切実に感じるテーマが軸になっている。


日曜日はクールプリエールの本番。浜離宮朝日ホールに450人以上のお客さまで大盛況だった。創立40年、黒岩英臣先生の指導のもと30周年となる合唱団。この年月は本当にたいへんなものだ。東大柏葉会OBが中心で始まったこの合唱団は、中世のアカペラを得意とし、厳選されたプログラムによる演奏を続けている。

プリエール(祈り)という美しい団名は、モロゾフのお菓子に拠っているそうだ(笑)。それぞれ日本の屋台骨を背負うような重要なお仕事をされている一方で、合唱にかける熱意は筆舌に尽くしがたい。この素晴らしい合唱団と1995年から長いお付き合いをさせていただいていることに感謝。

秋分

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日中はまだ暑いですが、空気は完全に秋に変わりました。晴れた日の夕景は気持ちがいいです。十五夜も綺麗に見えましたね。

土曜日に合唱の本番練習で久々に代官山のエナスタジオに行きました。ここのベーゼンドルファーは本当にいい楽器。こういう楽器だとなんかタッチが変わってくるから不思議。29日本番のクールプリエールは、本番に向けて俄然集中力と熱気を帯びてきました。練習中、ときどきぐっと来てしまって、コントロールを失いそうになりました。日頃ひとりで作業しているので、こういう場は本当に嬉しい。


納骨&作曲家との打ち合わせ第一弾

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更新が遅れました。

祖母の納骨で富山へ。16日朝に飛行機で発つ予定でしたが、台風接近の報を聞いて、15日の最終の鉄道に切り換え。15日は横浜でコンクール審査でしたが、比較的早くに終わったために間に合いました。納骨当日の朝の富山はかなり強い暴風雨でしたが、お昼の納骨のときには雨も風も止んでなんとか無事に終えることができました。その日の夕方はもう20度を下回る秋の空気。台風が空気の入れ替えをした感じ。


翌日飛行機で戻って、難波研さんと作品演奏について打ち合わせ。思ったとおり、たいへん遅いテンポで、微細な音響を求める曲であることを確認。8分音符=15!というメトロノーム表記は見たことがない(しかもこれが10まで下がる)。極遅のテンポの中で、ピアノの音を出さずに摩擦音だけを出す指示のあるグリッサンドや、ダンパーが弦から離れる音だけを出すことを目指した "dim" sound など、こりゃひょっとしたらクラヴィコードより小さい音になるかも。他にもいろいろ曲についての興味深いお話を聞けたのであった。打ち合わせ後のベルギービールが美味しうございました。


フェンダー・ローズ

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2020年の東京オリンピックが決まって賑やかです。

こちらは粛々と10月の演奏会の準備。今回エレクトリック・ピアノを使ってみようかと(今さら)考えています。というのも藤枝守さんの新曲が、どうもエレピが合うように思えてならない。また初期のピアノ曲もエレピで弾いてみたいと、前から思ってました。大学生の頃にバンドの手伝いでフェンダー・ローズ弾いたことがあったのですが、その快感が忘れられないのもあって、中古を見に行き、速攻で購入してしまいました。

この mkV(マーク・ファイヴ)というのが自分の記憶にもっとも近かった。エレクトリック・ピアノといってもアナログな部分が多く、鍵盤は木製、調律もできるし、ペダルもハーフなど思いのまま。音になる寸前までは、ほとんどアコースティック楽器のようなもの。ハンマーで弦を打つのがピアノなら、エレピはハンマーで「トーンジェネレータ」なるものを介して「トーンバー」という金属のバーを響かせる。まさにベル・サウンド。これは間違いなく僕らの楽器の仲間だ。電気を入れなくても微かに音が鳴る。クラヴィコードと併せて、モダンピアノ、ローズと三種の神器なんちゃって。


NHK収録

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早いものでもう9月。8月末は約1ヶ月ぶりに西へ。NHKの「スクールライブショー」という全国の高校生ブラスバンドがステージを競い合う番組の収録。その番組の審査員であるクラリネットの小谷口直子さんと初めて共演させていただきました。会場は近江八幡市文化会館。演奏曲は東日本大震災の応援歌である菅野よう子さん作曲の「花は咲く」。今回のステージ用に作曲家が自ら、クラリネット、チェロ、ピアノの三重奏に編曲。チェロはドナルド・リッチャーさん。

朝からサウンド・チェック、午後にランスルー、夜本番と一日がかりの収録。演奏時間は4分たらず。こういうの、結構緊張しますよ。一発撮りですからね。

小谷口さんは演奏はもちろん、トークも面白くこれからメディアに引っ張りだこではないかな。リッチャーさんは親しみやすいお人柄なのに演奏に入るとその真摯さに感服。練習も楽しかった。まだメロディーがぐるぐる回ってます(笑)。オンエアーは11月です。忘れそう!


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