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さよなら2017
土曜日の八王子の永生病院でのクリスマス・コンサート、日曜日のソナタコンクール審査で、今年の業務は終了。
今年は思いの外、多くの新しい出会い、機会に恵まれ、充実した年になりました。
健康面では、手術や腰痛などあったものの、仕事に穴をあけることなく過ごせました。
あと数日あるが、2017年に心から感謝。来年は体力勝負の年になりそう。心身ともに真摯に精進できる年でありますように。
ジビエ
寒さが一段と厳しくなってきた。先週は少し熱が出たが、ひと晩寝て快復。
土曜日はジビエで精をつける。初めて雷鳥を食したが、なかなかのクセモノ。他にも蝦夷鹿、ホロホロ鳥。
今年もカウンダウン。来年はイタリアでの演奏会などが決まって、近年にないくらい忙しくなりそう。もう少し働いたら、年末は思いきり休もう。
聲明とヴァイオリン
アマゾン・ヴィデオで寅さんを見ているが、初代おいちゃんの森川信や、その後の松村達雄は、自分より歳下で演じているのを知って軽くショックを受ける。
日曜日は杉原まさみさんの池上・本妙院でヴァイオリンを聴く。シュメルツァー、ムファット、ビーバーと17世紀もの。チェンバロは山縣万里さん。楽器は加屋野木山さん製作。バロック・ヴァイオリンに転向して間もない杉原さんだが、なかなか堂に入った演奏。山縣さんも軽々と支える。伴奏はこうでなくっちゃ。チェンバロは温かな音色で本堂を満たす。BSのカメラが入っていた。
終曲のビーバーのパッサカリアは聲明と一緒に奏されたが、これはなかなか秀逸なアイデア。もともと無関係に進むはずが、互いにループしながら変に同期するような場面があり、ミニマル的な現代曲の趣きをもち、オーディエンスもここにいちばん引き込まれているように感じられた。
アクロス福岡・円形ホール
ルー・ハリソン記念コンサート(先週の木曜日)は楽しかった。アクロス福岡の円形ホールに、4台の鍵盤楽器が勢揃い。ノーマルな平均律のヤマハC7、ヴェルクマイスター律のヤマハC3、そしてルー・ハリソン指定の純正律によるタックピアノ(ハンマーの先端に画鋲状の金属をつけたもので、今回はアップライト)、そしてキルンベルガー律のアトラス・チェンバロ。アトラスは1960年代から70年代にメジャーだったピアノメーカー。
ルー・ハリソンの鍵盤作品アンソロジーと言ってもいい今回の企画、彼のいろいろな側面が伺えてたいへん面白かった。シェーンベルクから賞賛を受けた「Aria and Conductus from Suite」や「コルネイユのシンナのための劇伴音楽」などは普段滅多に聴くことができない。サラ・ケイヒルの演奏は、スイング感に富んで、生き生きと彼の音楽を描く。
僕はハープシコード・ソナタで参加。1943年の初期ソナタと1999の晩年ソナタ。どちらも旋法的な語法で、アジア人としてたいへん親しみのもてる曲。アンコールにはサラと「エヴリン・ヒンリクセンのためのワルツ」を、それぞれチェンバロとピアノで。これも古賀メロディのようにノスタルジックな曲。