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春が行く

夢のような山陰紀行から帰り、大学の現実生活が本格的に始まっている。東京も京都も桜はほとんど葉桜になって、代わりに気の早いツツジや木々の新緑が目につくようになった。

犬と散歩すると落ちた桜の「がく」がいっぱいくっつくのも、この季節ならでは。ときどきもう夏になったかと思わせるような暑さを感じさせる日もあるが、まだ辛うじて春の清々しさを感じさせてくれる。

だが今年は霞がかった春らしい感じがあまりなかったなあ。いましばらく春の空気を楽しみたい。

エイジングの魅力

写真(2017-04-18 11.58)

鳥取・松崎のゲストハウスで出会った40鍵のミニピアノが気になって、それと同タイプの楽器を修復したという名古屋のピアノ工房を訪ねた。

河合楽器の黎明期、戦前の恐らく1920年代後半から1930年代前半にかけて、ピアノを普及する目的で作られたとみられるこのミニサイズのピアノ。そのコンパクトさにも驚くが、さらに驚くことに、ひとつの鍵につき弦が1本ずつである(現在のピアノはひとつの鍵盤で3本の弦を鳴らす)。ハープのような鳴り。アンティークな外観も含めて、惚れてしまいました。一般に鍵盤楽器は消耗品と認識されているが、エイジングによる音質向上もあるのではないか。


山陰紀行

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ぽっかりと空いた3日間、ちょうど青春18の期間ということもあり、衝動的に前々から行ってみたかった京都の日本海側と山陰に行ってみた。

初日は西舞鶴からレトロな丹後鉄道に乗って天橋立へ。浦島伝説の伊根海岸を遠くに臨み幻想が膨らむ。

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その日は鳥取まで移動して泊まり、翌日は出雲へ。霊験あらたかな気持ちとはこういうものか。出雲の阿国の墓参りもできて気持ちが高揚する。


その日は倉吉近くの松崎まで戻り、ゲストハウスの草分け的な宿に泊まる。ここはシェアハウスでもあり、その住人たちと夜遅くまで語り合った。

3日目、本当は鳥取を見ようと思っていたが、松崎があまりにも面白そうなので、午前は東郷池の周辺を散策。人少ないし、桜は咲き乱れ、近年味わったことがないくらい、すごくすごくいい気分。

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午後は倉吉の赤瓦白壁街を歩いてから鳥取に移動。雄大な鳥取砂丘をそぞろ歩いた。

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久々に心の底がうずくような、忘れがたい3日間だった。感謝。


濃厚でした

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先週火曜日は都内の6つのギャラリーをハシゴ。

横木安良夫(半蔵門・JCIIフォトサロン)の60年代ー70年代の写真展はエレキサウンドが聞こえてきそうな懐かしさ。

アントワン・オルフィー(九段・成山画廊)は日本カルチャー好きなパリ生まれの若手。書のような自由な筆致。

渡辺省亭(京橋・加島美術)は、本当に本当に普通にいいんだから!!

大谷透(白金高輪・児玉画廊)は、サンドペーパーの裏に、そのロゴをなぞりつつ、ひたすら色鉛筆で塗りつぶしていく。これ、やってみたくなるよ。

フォトコレクション展(ミッドタウン・フジフィルムスクエア)では、齋藤亮一のノスタルジックな写真がひときわ光っていた。山崎博の空と海のHeliographyもやばい。日大芸術恐るべし。

最後は松澤宥(六本木・オオタファインアーツ)。物質文明を否定したオカルトな表現は・・・まじやばい。


6箇所の振れ幅大きく、ものすごく満足。


水曜日は市原湖畔美術館でカールステン・ニコライの個展。前衛的な佇まいがやや場違いな感じも。ノイズがなかなか心地よい(奥さんは気持ち悪かったと)。併設するピッツェリア、地物を使ったピッツァは美味い。


木曜日は京都・醍醐寺へしだれを見に。まだ三分咲きだったがさすがの威厳。夜は塚原筍の若竹煮や季節を先取りしたイサキを楽しむ。


金曜日は叔母・従兄弟と再会。宝塚温泉にゆっくり浸かったあとは、小雨の中山寺を散策。


日曜日は中山靖子先生のお墓参り。上野・寛永寺に門下生30人余りが集まった。上野公園は七部咲きだが、ものすごい人出。


濃い~い一週間でした!


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