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エラールのピアノ

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コンサートのページにはアップしていませんが、31日にフルートのコンサートがあり、その際1840年代のエラールのピアノを使うことになり、昨日そのピアノを初めて触りました。


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弾く前は、少し重い感じのタッチと、くすんだ音色を想像していたのですが、予想はまるではずれ。フォルテピアノ特有のまろやかな音色をもちながらもきらきらと華やかさをもち、アクションもきびきびしていて、速いパッセージがたいへん奇麗に弾けます。「ダプルレペティション」という、現在のピアノにも採用されている(エラール1809年に発明)アクション機構がすでに装備されており、そのせいもあって連打が素早くいくのです。音量も豊かで、これならモーツァルトから近代まで広いレパートリーをカバーできるでしょう。要するにメンテナンスがすばらしいのです。

弦は平行に張られており(現在のピアノは交差弦)、鋼鉄フレームを使った初期のもので、現在のようにフレームが全体を覆うのではなく、弦を張るために部分的に使われている。


練習に伺った工房には、ブラームス博物館にあったというシュトライヒャーもあり、ぜひ弾いてみたいと懇願したところ、弾かせていただきました。ウィーンアクションのピアノとしては奥行260cmほどある大きな楽器で、響きも豊か。高音はベーゼンドルファーを思わせる金属的な質感の気持ちよい音色で、ブラームスはこういう感じの楽器を弾いていたんだろうなあ、と想像してしまいました。



年度替わり

暖かくなってきました。年度替わりを感じる季節です。

先週は、例年この時期に行なわれる黒沼幸子先生の精巧な演奏にまたまた感銘を受け、卒業生の代表による演奏会で、みんな立派になったなあと思い、短大のプラクティカルコースのオリジナル楽曲による演奏会で若いエネルギーを感じ、週末は今期最後の牡蠣を食し、そして今日は大学の卒業式。今の時代、新しい環境に飛び込んでいくのは、期待より不安が大きいのではないでしょうか。どうか、逞しく乗り越えていって下さることをお祈りします。

ラ・トゥール

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ラ・トゥールがまた上野に来ている。国立西洋美術館でルーヴル展が行なわれており、目玉になっているようだ。


もう20年以上前、初めてルーヴルを訪れたのを思い出す。まだピラミッドはなかった。そしてあの「モナリザ」を数分間、独占した。その時は下のほうに掛かっていて、目線が合う。奇跡的に他に客がおらず、ゆっくりと鑑賞することができた。そんなことができたとは今でも信じられない。


その時いちばん印象的だったのが、ラ・トゥールだった。買って来た絵はがきがその証拠で、モナリザとラ・トゥールの4枚のみ。そのラ・トゥール、最近よく遭う。今さら、と思ったけど安かったのでブックオフで「ダ・ヴィンチ・コード」を買って読んだ。そこで注目される「マグダラのマリア」をラ・トゥールも描いているのを、改めて知った。また土曜日の「美の巨人たち」というテレビにも登場、たてつづけだ。




久々に会いにいくか。


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