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芸術の秋・3つのイベント
台風もそれて、めっきり晩秋から初冬の空気。先週は3つのイベントを堪能。
月曜日は河合拓始さんと中村和枝さんのデュオ・コンサートへ。プロは湯浅譲二、松平頼暁、高橋悠治、フェルドマンなど現代曲からシューベルトまで幅広い音楽性を聴かせていただいた。主に現代曲や即興の分野で活躍されている二人だが、しっかりしたクラシックの素養が彼らの音楽を支えていることを確信した。
金曜日は齋藤亮一さんの写真展へ。「SLがいたふるさと」というタイトルの写真展で、主に70年代の北海道の写真。彼が高校生のときの35ミリフィルムの写真を新たにプリントし直したという。彼の視点は独特の優しさにあふれている。何気ない町の風景や人々の表情に温かみが見て取れる。どこかできっと見ていた景色のように思え、ノスタルジアに浸る。高校生のときからしっかり齋藤さんでした。
土曜日は内田枝里さんのリサイタルへ。ラフマニノフの前奏曲op.23全曲に、コレルリ変奏曲、ソナタ2番といういつもながらとんでもないプログラム。芸大楽理から大学院はフォルテピアノ科に進み、その後博士課程に学ぶ秀才。いならぶ難曲をさらっと弾いてのける。アンコールは音の絵のop39-9。今後の展開が楽しみ。
ソロコンサート
水曜日のソロコンサート終わりました。初めてローズ・ピアノを使いましたがなかなか面白いコンサートになったように思います。ご来聴くださった皆さま、有難うございました。
だいたいローズって裏方が多いと思うんです。ソロアルバムなんてあるんだろうか。どなたかご存知でしたら教えて下さい。今後ローズのためのレパートリーを考えていきたい。まずは、マリンバやヴィブラフォンのための作品を探してみたい。あとはジャズ。写真は、スタインウェイが心なしか、嫉妬しているように見える(笑)。
コンサート後、すぐに大学院入試があって、日曜日に無事業務終了。入試は疲れます。
目黒区合唱祭&台風こわい
先週は金曜日に目黒区合唱祭で、再びクールプリエールのステージ。めぐろパーシモンホールに初めて行きました。私鉄沿線によくある商店と住宅が融合したような景色を抜けると、突然広い公園が現れ、その中には立派なホールが。なんでも八王子に移転した都立大学の跡地だそうだ。
たくさんのアマチュア合唱団が参加しており、その指導、指揮をしている人に、クールプリエールに僕を紹介してくれた知人がいて、久々に再会した。また楽屋で別の人に会い、「あれ」ってなって、その指揮者は昔の副科ピアノの教え子だった。世の中は狭い。関わった人が活躍をしているのを見るのは嬉しいものだ。
今回は、指揮者なし、ステージでのリハなし、とスリルに満ちた本番だったが、何とか大ズレはなく、講評もなかなか良かったようだ。
土曜日は京都に戻って、オープンスクール。好天に恵まれ、公開レッスンにはたくさんの方が聞きにきてくださいました。
今週は代々木上原でソロコンサートだが、台風が気になる。何でも10年に1度の大きさとか。いやはや。
プログラムノートをSS2のほうにまとめて書いてありますので、ぜひお読みください。
作曲家との打ち合わせ第三弾
日曜日に藤枝守さんと市ヶ谷スタジオで打ち合わせ。今回初出しのフェンダー・ローズの音を聴いていただいた。トイピアノとかクラヴィコードに通じる簡素な構造に興味を持っていただけたようだ。また調律が出来ることにも。前にも書いたが、木製の鍵盤や、アクションを支えるフレームも木で、内部を覗くとエレピという名称そのものが嘘のよう。因みに写真は初代のローズですが、これ普通にピアノですよね。ハンマーもフェルトなのはこの最初のモデルのみ。そのあとはプラスチックのハンマーの先にゴムがついたものに代わる。
また今回やってみたかったのがディレイ・エフェクト。エフェクターによっては、ノイズがきつかったり苦労したが、電源が安定すればノイズがなくなることもわかり、何とかなりそう。藤枝さんの初期ピアノ作品をディレイ処理のローズで。個人的にはすごく好きなサウンド。アンプとスピーカという最終出力の問題もあるが、今回は細かいこと抜きに、可能性を試すことを第一にやってみよう。
しかし藤枝さんとの出逢いから、クラヴィコードやフェンダー・ローズにまで守備範囲が拡がるとは予想だにしなかった。
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