キュビスム感慨深し

穏やかな晴天が続いた週。枯れた枝木の風情も美しく、散歩がいちばん楽しい季節。

日曜日、埼玉県立近代美術館へ。日本におけるキュビスム展。親しくさせていただいている野村久之先生の作品も出展されるとのことで楽しみに出かける。

タイミングよく、鳥取県立博物館の尾崎信一郎さんのレクチャーと、続けて出展作家の池田龍雄氏と館長の建畠晢先生(前・京芸学長)と学芸員主幹の平野到氏のディスカッションがあった。

美術史上のキュビスムの位置、そしてアジアや日本の受容史が、とても興味深い。ピカソとブラックの実験が、爆発的に世界に広がり、美術界に強い衝撃を与えたにもかかわらず、定着することなく、通過点のごとく消えて行ったキュビスム。考えてみると不思議な存在。日本では面白いことに1950年代に再びブームが起きたという。これまでは正直、冷めて見ていたキュビスムだが、おかげで新鮮な感覚で見ることができた。

何と言っても、野村久之先生のお若い頃の作品をピカソ、ブラックの脈絡で観られる贅沢。感慨深し。

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