ミニピアノ・デュオ

土曜日のニュイ・ブランシュ(白夜祭)、京都コンサートホールでの2台ミニピアノ公演終了。

2017年の春に河合ミニピアノと出会って以来、夏に51鍵の楽器を入手。相模原の「光と緑の美術館」にある64鍵の昭和型河合とは今年の春に初対面。この2台での演奏会のアイデアが出たのはその直後のことだった。

相模原から昭和型を運んで、実際に2台が並んだときは感無量だった。楽器の音色が合うのは予想していたが、京都コンサートホールのエントランスホールとの相性もよい。まさにハープとリュートを彷彿とさせる音に思わずリハーサル中にプログラム以外の曲も弾いてしまった。

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本番当日、昭和型の持ち主である調律師の三矢真人さんが、調律中にミニピアノの隠れた製造番号を見つけてくださり、楽器の身元がまた怪しくなった。三矢さんの昭和型は1933年製という。製造番号は244。私のミニピアノは262。18番しか違わない。とするとこのミニピアノも戦前のものという可能性が出てきた。

河合楽器の70年誌によると、戦後物資の少ないときに島田工場でミニピアノを製作した旨の記述があり、写真もまったく同じなため、1948年のものと思っていたが、戦後の製造番号は2000番台から開始したらしく、とすれば戦前のものになる。最初期の昭和型(1927)は「ワイヤ3弦」を謳っており、3弦のはずだが、いったいどういう契機で、どういうタイミングで1弦の楽器を製作することになったのか、いろいろと謎が浮かび上がる。日本のピアノ製造の歴史は、まだ解明されていない部分が多い。

今回の演奏会には、楽器関係の方々も何人かいらしてくださり、単弦の楽器がたいへん珍しいということも確認できた。

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(左:昭和型#244  右:ミニピアノ#262)

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