能楽殿公演など

3月末から現在にかけて、慌ただしく過ごしておりました。

まず、3月28日は福岡での能楽殿公演。白足袋をはいて初めてお能の舞台に立ったのですが、やはり緊張しました。それとともに自分の居場所のようにも感じました。先祖から続いている芸に対する思いのようなものを感じ、いつもとは違う空気。本番では渾身のお辞儀をしました(笑)。


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3月31日はホテルオークラ・曙の間でのコンサート。天井がドーム型で、ホテルの宴会場とは思えない、素晴らしい響き。エラールのピアノを使っての初めての本番でした。


4月2日は唯一オフがとれ、息抜きにSLに乗りました。


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新学期が始まり、面談や入学式など、学校が始動します。4月3日の上野は平日なのにごった返していました。


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4月5日は恩師・中山靖子先生の米寿のお祝い。「ピアノ演奏法の基本」というご著書もやっと出版され、そのお披露目も。ピアノ演奏上、大切なことがぎゅっと詰まった80ページほどのこの本はお勧めです。

特に、この本の第3章(靖子先生がこれまで主にドイツで勉強され、さまざまな先生から受けた薫陶について書かれたものです)ですが、実は、出版社の方がインタビューという形で取材し、それをまとめて第3章にすることになったんです。そのとき僕も立ち会いましたが、インタビューではなく、ほとんど独演になってしまいました。「立板に水」とはまさにこのこと。すごいんです。走馬灯のように浮かぶ思い出が、およそ1時間のあいだに理路整然と語り上げられ、結局ほとんど編集することなくそのまま第3章になったのです。あらためて先生の頭脳の明晰さに舌を巻きました。


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