古時計

家の近所にある時計屋さん、45年続いた商いを止めるらしく、さよならバーゲンをやっていた。この店は、たばこも扱っていて、3年前くらいまではそのたばこ目当てに立ち寄る程度であったが、店を閉じると知って、なんとなく中をのぞいてみた。中を見るのは初めて。


昔はよくあった、いかにもという感じの時計屋。宝飾品も扱っている。懐かしくて隅から隅まで見た。昔の日本製の時計が多く、ほとんど半額以下になっているが、安いのか高いのか見当がつかない。と、古めかしい「ボンボン時計」が目に入った。ずっとこの店にあったのだろうか。木がつやつやしており、振り子もきれいだ。手入れされているのがわかる。大きさは1m近くあるのではないか。少し迷った末に買ってしまった。


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この店は気の良さそうな、しかし一途な感じのご夫婦がやっている。話を聞いてみると、この振り子時計、思ったほど古いものではなく、昭和40年代くらいのものらしい。僕が「ほしい」と言ったとき、何故か寂しそうに笑ったように見えた。ぜんまいの巻き方や、振り子のつけ方を教えてもらい、持ち帰る。


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今やうちの一員、コチコチと生きているように、存在感たっぷりに動いていらっしゃる。とても可愛い。しかも狂わない。


昔は居間などにはこの振り子時計(もっと小さいやつ)が多かったように記憶している。このシンプルなムーヴメントは嬉しくなる。重力だけで動くところが、とても素敵に見える。日本の職人気質が伝わってくる。大切にしよう。


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