檜垣智也&クリスティーナ・クービッシュ

金曜日は京都芸術センターで、檜垣智也さんの「アクースマティック作品による音の個展」。

解説によるとアクースマティック作品というのは「発音源を見ることなしに聴く」ということらしい。具体的には、奏者である檜垣さんは、音響調整卓をリアルタイムに操って録音されたさまざまな種類の音を映像とともに放出する。

初めての体験だったが、この形でしか表現できないものがあるように感じた。特にマテリアルとしての言葉の扱い。ときに旋律、ときにノイズ、また意味を強調するかと思えば、抽象の波に埋もれていく。文学でも歌でもない。

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日曜日は初台ICCでクリスティーナ・クービッシュのトーク。

電磁波を誘導する特殊なヘッドフォンを用いて、都市を歩く「エレクトリカル・ウォーク」など、彼女の最近の活動が紹介された。自分が気になる音に寄り添っていくため、変な場所で立ち止まったり、頭をぐるぐるさせたり、見た目に奇妙な行動になって可笑しい。

サンプル音が流されたが、ときにテクノ・ミュージックのようなリズムを持ったり、低音から高音までの幅も広く、その表情は変化に富む。

見えない電磁波の世界を覗くことは、異次元のパラレルワールドを覗くようで楽しい試み。

大阪でもインスタレーションをしているようで、そちらも行ってみたい。

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初台ICC


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