風邪・名古屋・落語

だいぶ寒くなってきた。空気が急に乾燥してきて、ウィルスたちが嬉しそうに小躍りしているようだ。先週から風邪気味。動けないわけではないが、喉が少しいがらっぽく、咳、洟が出る。そしてしつこい。

金曜日に名古屋のしらかわホールで、長野量雄さんのリサイタルを聞く。しらかわホールは初めてだったが、とても綺麗で響きもよい。名古屋は良いホールが多くて羨ましい。長野さんのピアノも、丁寧に繊細に、そして誠実に音楽を紡いでいく。こちらもリサイタルを控えているので、一足早くライブな緊張感を味わわせていただいた。

最近、六代目三遊亭圓生の落語をよく聞いている。いい意味で型にはまった語り口は、初めは少し聴きづらかったが、聴き込んでいくと心地よい。人情もので名高い人だが、踊りや謡曲、小唄にも通じていて「音曲噺」は芸が冴え渡っている。ネタ数の多さでは抜きん出た人で、1時間を超えるネタもあり、独演会では3時間演じたという。YouTubeで聞いているのだが、古いラジオ番組で立川談志が圓生について語っているものがある。歯に衣着せぬ人、そして落語では型より内容を取る彼のコメントは、圓生を批判しつつも尊敬の念を抱いているのがよくわかって面白い。

このあたりの話は、音楽とも通じていて、考えさせられる。過去の偉業の伝達か、オリジナリティか。自分は後輩たちにいったい何を教えているのだろう。このあたりはややこしい話になるので、今日はこのへんで。

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