新しい宗教音楽?

11日、草月ホールに佐藤聰明作品のコンサートに出かけました。佐藤氏の作品には日頃からたいへん興味があります。特にいま弾いたばかりの音をマイクで拾い、直後にプレイバックし生演奏にかぶせるという「デジタル・ディレイ」という方法。これを生で聞けるという機会を逃す訳にはまいりません。


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2台のピアノで、単音や和音をとにかく連打する。それをデジタル・ディレイが0.5秒後に追いかける。これにより一種のカノン的効果や、残響的効果が生まれることを想像していたのですが、実際はもっと面白い。ホーミーのような高次元倍音が聞こえるのです。純粋に生音とその再生音だけなのか、他の音を加えているのかはわかりませんが、とにかく面白い音が踊り出して来る。演奏者の力加減によってこの倍音をコントロールできるとすると、地上で雲を操るような感覚ではないでしょうか。

もうひとつ、僕の耳にはたしかにお経(真言宗の)が聞こえてきました。言葉そのものではなく、音感的なものですが。演奏会最初のテープ音楽「エメラルド・タブレット」と最後のピアノ2台のための「太陽讃歌」の最後のほうで同じようなタイミングで聞こえてきたので、これは意図的ではないかと。佐藤氏の作務衣のような衣装と、剃り上げた頭がよけいに想像をかきたてます。新しい形の宗教音楽ではないかと思ってしまうのでした。


本日のログにはまったく関係のない、ヒーリーズで遊ぶ娘↓


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