急に暖かくなって、春がその存在感を強く示してしているようだ。もう冬も終わる。
僕の好きな、京都の冬の食べものたちももう食べ納めか。
蕪蒸しは特に好物。擦った聖護院蕪に白身魚や百合根など季節のものが包まれ、さらに吉野葛にコーティングされて供される。いちばん気に入っているのは蕪の存在で、全然前に出てこない。そして友人たちを引き立て、その魅力を紹介してくれるような脇役ぶりが何とも素晴らしい。
先日は京都駅構内の「はしたて」(和久傳がプロデュースしている)で冬野菜の寿司という弁当を買って新幹線で食べた。だしを含んだ寿司飯の上に、素揚げや炊きものなど、あっさりと料理した野菜を美しく乗せたシンプルだが気の利いたお弁当。こういうセンスは京都でないと味わえないだろうな。