京都をしゃぶり尽くす


午前中に北野天満宮へ。1月25日は初天神、たくさんの人出だ。本殿は鈴振りの行列、また裏では焼き海苔の無料配布を求める人でこれまた長い行列。露店はこちらならではの珍しいものも多い。


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まず骨董を売る店で、抹茶茶碗を買う。値段は内緒。

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それから好物の干し芋。安納芋の干し芋が一袋300円と嘘のよう。

酒粕を売る露店があり、その横で「こぼれ梅」というものを売っている。え、これがあの・・・落語「鷺とり」に出てくる「こぼれんめ」というのは「こぼれ梅」だったのか!「みりんの搾りかす。ぱらぱらっとしたお菓子おまっしゃろ」まさにこれだ。味はほんのりとした甘みで、甘酒のような風味。あっさりとしてくせになる。

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混んでいない平日の錦市場を一軒一軒ていねいにひやかしてから、一度行ってみたかった蛸薬師通にある「だし」の専門店へ。客は僕一人で、女性の店員が丁寧に応対してくれた。まず、3種類のだしを味見。「京」はまぐろ節を使った、甘みのある旨味の多いもの。「上方」は枯節の血合いありのものを使っていて、馴染みのあるもの。「雅」は血合い抜きの本枯節を使っていて、上品な香りを楽しめる。だしの取り方は、コーヒーのドリップのように、専用のドリッパーで1回分のセットに湯を注いで90秒待って下の器に落とす。これなら忙しい朝でも、さっとだしが取れる!

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京都の白味噌を使った味噌汁や、余っただしカスで炊いた佃煮や、炊き込みご飯も試食させてもらった。こんな面白い店初めて。

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昼食はよく行くBijiで薬膳カレー。マレーシアのバクテー(肉骨茶)というスープでだしを取っている。コーヒーはあと味爽やかなロダンでゆっくり。


午後は細見美術館へ。若冲と琳派のコレクションで名高いこの美術館は、小じんまりしていて見やすい。一階から入って、だんだん下がっていくようになっている。

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琳派の絵には思わずにこやかになってしまうものも多い。いちばん惚れたのは中村芳中の絵。写実もできる腕を持っているのだろうが、あえて簡略化して遊ぶ。コミックを思わせるような味があり、気持ちが楽しくなる。もちろん若冲、酒井抱一などの作品も素晴らしい。


綺麗な夕景を見ながら、ぶらぶらと東山二条から鴨川を渡って河原町三条まで歩き、夕方からはいつものおばんざい。まぐろの頬肉や蛸と大根の煮物などいつもと違ったメニューを楽しんだ。

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こんな一日じゅう京都をしゃぶり尽くすのをやってみたかった。達成感でいっぱい。

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