zeit/LICHTE

先週いちばん驚いたニュースは、同期にドイツ留学していた美術家の渡辺好明さんが亡くなったこと。54歳。なんという若さ。彼の作品のテーマは「光ではかられた時間」というもの。蝋燭の灯りが少しずつ蝋を浸食していく作品を90年代に横浜で見せていただいたが、そのシンプルな美しさと、意表をつく表現に心を打たれたのを強烈に記憶している。ドイツ語の「zeit/LICHTE」というタイトルもとても美しいと思った。我々はともにDAADというドイツの交換留学機関にお世話になったのだが、そこのクリスマスカードにも彼の作品の写真が選ばれたことがあった。人に出すのがもったいなくて今でもそれを持っている。


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彼のサイトがあることを、そのニュースのあとで知った。


http://www.ima.fa.geidai.ac.jp/~yoshiaki/index.html


そのサイトで彼の作品を時系列的に見ていると、フィボナッチ数列でならべられた蝋、初期の細胞を思わせるような作品など、意外にもいま僕が関わっている藤枝守氏の「植物文様」とも通じる世界だと思った。最近もやはり同じテーマで、しかしさまざまな形で作品を発表されていたようだ。本当に惜しい人をなくした。


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