日曜日、父の一周忌で富山へ。当日は晴れていたが、30年ぶりという豪雪のあとは窺える。日帰りという慌ただしいスケジュールだったが、娘はこんなにたくさんの雪を見るのは初めてで、はしゃいでいた。
火曜日は松原賢さんの展覧会と、桒形亜樹子さんのチェンバロ演奏会へ。
松原さんは富山出身で、現在は那須在住の造形作家。音をテーマに制作されています。展覧会は新宿の柿傳ギャラリー。
写真のいちばん目立つ作品は「環・一滴」と題されたもの。天井から時折滴り落ちる水滴が水面に拡がる光の陰影が、環のオブジェに仄かに反映する。
また「日 月」という屏風絵が圧巻で、一隻六扇の絵が二組。箱根仙石原の長安寺にも同タイトルの作品が飾られているというが、壮大さとともに温かみがあり落ち着く。
小さなギャラリーだが、つい長居をしてしまった。
桒形亜樹子さんは藝大の同期。フローベルガーを取り上げた演奏会は、大久保の淀橋教会で行われた。最近ベルリンで発見された写本からの作品を中心に、音で事象を綴ったアルマンドなどフローベルガー的「描写」をテーマとした興味深い作品が並ぶ。「事象」は例えば河にはまってしまう、山から転げ落ちるなど、やや荒唐無稽な話だが、主に細かい人物の動きが音になっている。フローベルガー本人が祈る場面では、十字架のモティーフが聴かれたように思い、驚く。調律はレーマン。シャープとフラットが少ない調ばかりだが、それぞれの特徴がよく表れているように感じた。マニアックでいい会だった。