3月25日夜にフィレンツェへ入り、26日に1846年のベーゼンドルファーに対面。予想通り、金属フレームはなく、オール木製。弦は平行に張られていた(現在のピアノは交差弦)。現在のピアノと比べると音量は弱いが、各音が何とも言えない厚みのようなものを持っていて、弾き飛ばすことを許してくれない。アクションも現代と違うウィーン式で、打鍵から発音までほんの少し長く時間がかかるように感じられる。・・・ということで28日の本番は、これまで弾いてきたやり方をガラッと変えて、ゆっくりめのテンポとルバートを多くするところに落ち着いてきた。日本やベルギーからわざわざいらしてくださった知人もあって、感謝感激!
翌29日はミュンヘン。1985年から87年までここで勉強していた。懐かしいマリーエン広場やフラウエン教会を訪ねる。いまシュトゥットガルトに住む、昔の生徒もわざわざ会いに来てくれた。夜はいま話題のシューマンズバー。すごい賑わい。なんとあのシューマンさんが来てカクテルをおごってくれた!日本びいきらしい。
30日午前はミュンヘン留学時代の恩師、クラウス・シルデ先生に再会。91歳になられるが、矍鑠としていらっしゃる。ミュンヘン在住の旧友も来てくれた。3人で昨年亡くなったシルデ先生の奥さまのお墓参り。Waldfriedhofはミヒャエル・エンデやマックス・レーガーなどが眠る森林墓地。広いので、なかなかお墓を見つけるのが難しかったが、着いたら日が差してきた。奥さま喜ばれただろうか、そうなら嬉しい。
最終日はこの4月4日のオープンするテノハ・ミラノへ。テノハは代官山にある創造施設だが、ミラノにもそれを作った。ショップとカフェ、コワーキングスペースがある。オープンに知人が関わっていて、ちょうどタイミングがよかったので伺った。
その後ミラノ在住の、昔の学生に久々の再会。ナポリ出身のイタリア人ご主人と、3歳と1歳の可愛いお嬢さんに会う。ミラノの中心にお住まいで本当に羨ましい!
本当に濃厚な2週間のイタリア(ちょっとドイツ)の旅でした。感謝。