漆黒サウンド

金曜日は目白のカトリック東京カテドラルでオラショクラブのコンサート。丹下健三の設計による教会。スペイシャスな空間で美しい響きを堪能した。演奏は格調高く、ハイドンやフックス、モーツァルトやシューベルトによる宗教音楽の魅力をよく伝えていた。

月曜日は東京シンフォニエッタの定期。東京文化会館小ホール。「師弟。その美学」と銘打ったコンサートで、演目は前半に酒井健治とミカエル・ジャレル、後半にゲオルク・フリードリヒ・ハースとフリードリヒ・ツェルハという組み合わせ。残念ながらツェルハは時間の都合で聴けなかった。前半の酒井とジャレルは、エレクトロニクスがアコースティックと溶け合う面白さ。ジャレルのコントラバスの扱いは、幅広い音程を駆け巡って弾いているのに、ほとんど音程を感じさせない。だが、響きの種類は多彩という不思議。ハースの作品は特にユニークだった。低音楽器ばかりを集め(バスクラ、コントラファゴット、コントラバス、チェロ、アコーディオンなど)濃い色に濃い色を塗り重ねたような漆黒サウンド。アコーディオンがこのように深い低音が出るのが新鮮に感じられた。

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東京カテドラル


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