レーマン調律

東京スタジオのピアノはここ5年以上レーマン調律をしています。バッハの平均律クラヴィーア曲集の表紙の図柄は、調律法を表しているのではないかという推論からB.レーマンが今世紀初めに発表した調律法。以前はヴェルクマイスター第3法にしていましたが、たいへん快い表現ができるシーンもあるものの、どうも不快に感じる部分もあり、レーマンに変えてみました。さまざまな和音や調性によるキャラクターを感じさせつつも、不快に感じる響きがほとんどなくなり、最近はこれに決めています。

チェンバリストの桒形亜樹子さんがご興味を持って下さり、スタジオを訪ねてくれました。いつも調律をお願いしている齋藤ピアノの幸崎研一さんと一緒に、興味深いお話ができました。

平均律は20世紀くらいになってやっと始まったと最近まで言われていたけれど、実はかなり以前から行われていたらしいとか、ヴェルクマイスターは第3と第4がペアであるはずなのに何故か第3ばかりポピュラーになっているとか、レーマン調律はヴェルクマイスターと違って、ピタゴラス3度が回避されていて、しかも半音の距離が違うのがわかるとか、調律曲線の話しなど。

桒形さんは、今月26日にピアノテクニシャンズフォーラムで「今さら平均律?」というお話をされるそうです。こちらも興味津々。

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調律の幸崎さんとチェンバロの桒形さん


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