横浜ステップと武満徹作曲賞

土曜日は横浜でステップのアドバイス。

会場は野口英世ゆかりの建物で、隣の小さな建物では細菌研究をしていたらしい。斜面に立った木造建物だが、ホールは建て増しされたのか鉄筋コンクリート造り。内部のコンクリート壁面は木材でおおわれ、響きが素晴らしい。


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このステップの出演者は全員大人で、その演奏は、特にその内容で聴くものを惹きつけるものだった。朝の9時半過ぎから夜は20時半までの長丁場であったが、演奏内容が興味深かったため意外に疲れは少なかった。



日曜日はオペラシティで、武満徹作曲賞の本選会を見に行った。東邦出身の難波研氏がノミネートされていて、前々から楽しみにしていたイベントだ。

このコンクール、毎年ひとりの審査員がすべて決めるというユニークなものだ。

今年のジュリーはトリスタン・ミュライユ。

ブラジル人、スロバキア人に日本人2人の計4人がノミネートされた。


課題はオーケストラ作品。

4作品とも色彩感に富んだものだったし、楽器の配置にも工夫がこらされていた。

難波氏の作品は不安定な情動を表現しているように思えた。絶えず苦悶しているような落ち着かない心理状態。少ない楽器にも関わらず、激しく響く。しかし最大音量の箇所でも各楽器の音が明確に聞こえてくる。すごいオーケストレーションだ。

後半になると少し薄い光明が見える。タイトルのように(infinito nero e lontano la luce 無限の闇と遥かな光)。

ストーリー性や響き多様さを感じさせる作品だった。


結果堂々第2位。お見事でした。


詳細はhttp://www.operacity.jp/concert/topics/100530.php


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