可能性としての空間、
あるいは開かれたアルバム
100 Objects
私たちは、重なり連続する空間の中で日々の生活を営んでいます。写真アルバムを
開くと、その一コマが想いだせるのではないでしょうか。意識の有無にかかわらず、
私たちは常時、空間に身をおいて居る訳です。
では、「空間」とは一体何なんでしょう? 「何も無い空間」と言うとき私たちは何を
思っているのでしょう。何かあるはずのものが無い、何か欠けている、そう感じてい
るのではないでしょうか。そのとき空間は、そこを満たすべきものを待っている場所、
秘められた可能性の場です。ギャラリーという空間は、作品が在って初めて成立します。
その空間は作品によって広くも狭くも嬉しくも哀しくもなります。そういう意味で、作
品が創る空間の可能性は無限大です。
2006年開催の『100キャンヴァス 14x18 の時空から』に続く100作品シリーズの第
2弾として、100点のオブジェ作品を展示販売いたします。多ジャンルの50名の作家
によるギャラリー空間が交信の場となれば幸いです。
トークと音楽会 12/12 (土) 17:00~18:30 無料
「クラヴィコードの植物文様シリーズ」
● トーク:藤枝 守 ● 演 奏 :砂原 悟
音と空間は似た性質があります。どちらも実体がありません。しかし、そこにはあらゆる
ことに通底する自然の摂理が内包されています。別な言い方をすると、それを「可能性」
ということもできるでしょう。
藤枝氏は、あらたなる音律の可能性を拡げながら、植物の生命活動が発する音をモチ
ーフに「植物文様」という一連の作曲作品を発表し注目されている作曲家です。今回は
砂原悟氏が、「植物文様」シリーズの中から数曲をクラヴィコードで演奏して下さいます。
クラヴィコードは、軽い長方形の箱形の鍵盤楽器で17~18世紀西洋で盛行しました。
小音量のため大ホールでの演奏には適しませんが、音の微妙なニュアンスや色彩の変
化に富み、「植物文様」の演奏にはピッタリの楽器といえるでしょう。
空間に響く音に耳をすまし、表現と交信のさらなる可能性を探索してみたいと思います。
100 objects Puroducer / 野口ちとせ(楓ギャラリー)
大阪市中央区上本町西1-4-20 TEL 06-6761-0388 http://www7a.biglobe.ne.jp/~kaede-g/